潰れない鍼灸院の作り方

鍼灸院開業のすすめ

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鍼灸師の免許には開業権が付いています。独立開業権と呼ばれる権利ですね。

権利は行使して初めてその意味を持ちます。権利の行使とは、すなわち鍼灸院を開業することです。

鍼灸院なんか開業したって、だめに決まってる。

そう考える人も多いでしょう。
私のように、テナントを借りて営業する場合は難しいと思います。私自身、よくこんなので4年もやってきたなと思います。

テナントを借りて開業する場合の費用は、[鍼灸院開業費用]というカテゴリに2つ記事がありますので、それを参考にしてみてください。

今回は絶対に潰れない鍼灸院経営を提案します。

鍼灸院が潰れるとき

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まず初めに、鍼灸院が潰れるというのはどういうことを指すのか、その定義を確認しましょう。

鍼灸院の場合は、支払いが滞ったら潰れたということで良いと思います。

まさか銀行で借りて返済する人もいないでしょう。(そもそも貸してくれません)

支払いの内訳を考えてみると、主なものは家賃です。ほかには光熱費や電話代に、購入した鍼などの物品といった細々した支払いがあります。

このなかでも家賃が一番の問題です。

これさえなければ…

そう、家賃の支払いを無くせば良いのです。家賃さえなければ、後の支払いなどたかがしれています。そこで、家賃問題を解消する方法を提案します。

家賃問題を解消する方法

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やり方は簡単。私と同じように、自宅兼鍼灸院にしてしまいましょう。そうすれば家賃問題は片付きます。

 

「そんなこといっても、家賃代も稼げなかったからどうすんだよ」

 

と考える人、もっともなご意見です。
これについても私と同じ、アルバイトで賄いましょう。アルバイトで家賃と最低限の生活費を確保するのです。

アルバイトがお休みの日、その日が営業日です。

施術代を私と同じ6,000円で試算してみます。

うまい具合に3人ほど来てくだされば、18,000円程の収入になります。

週に1日、月に4日。

1日18,000円稼げれば、それだけで72,000円の稼ぎになります。

もちろん、最初からそんなにうまくいくはずがありません。

1ヶ月の間に来てくれたのは、たった1人。1ヶ月の売り上げ6,000円からスタートかもしれません。

たった6,000円ですが、自分で稼ぎ出す6,000円の意味は大きいです。

本当ならアルバイトのない休日です。その休日の1時間に鍼をするだけで6,000円を稼ぎ出すのです。

アルバイトなら良くて時給1,000~1,200円ほどですが、自分でやれば時給6,000円も夢ではありません。

しかし、行動しなければ夢で終わってしまいます。

行動を妨げるのは、開業するリスクが不安だからだと思います。

そのリスクとはお金でしょう。お金をかけて開業し、失敗したら無駄になるのが嫌なのだと思います。

それではどれほどの費用が必要なのか、試算してみましょう。

自宅鍼灸院の開業は、驚くほど安価です。

自宅鍼灸院の開業費用

鍼灸院を自宅で開業といっても、開業するのにお金がかからないわけではありません。

どれほどのお金が必要なのか、ざっと計算してみましょう。

私の鍼灸院にあるものを書き出して見ます。

  • 治療道具一式
  • 折りたたみ式ベッド
  • 電気毛布
  • シーツ
  • 毛布
  • まくら
  • フェイスまくら
  • タオル類
  • タオルウォーマー
  • お客さん用のカゴ
  • お客さん用椅子
  • お客さん用洋服掛け
  • お客さん用スリッパ
  • 自分用スリッパ
  • 自分用椅子
  • テーブル
  • エアコン
  • 加湿器
  • サーキュレーター
  • ドライヤー
  • ウォーターサーバー
  • 観葉植物

ここから最低限必要だと思う物だけをピックアップします。

  • 治療道具一式
  • 折りたたみ式ベッド
  • シーツ
  • 毛布
  • まくら
  • タオル類
  • お客さん用のカゴ
  • お客さん用椅子
  • お客さん用洋服掛け
  • お客さん用スリッパ
  • 自分用スリッパ
  • 自分用椅子
  • テーブル
  • エアコン

それぞれのだいたいの価格を考えます。

  • 治療道具一式 ━━━━1万円
  • 折りたたみ式ベッド ━1万円
  • シーツ ━━━━━━━5千円
  • 毛布 ━━━━━━━━5千円
  • まくら━━━━━━━━3千円
  • タオル類━━━━━━━5千円
  • お客さん用のカゴ━━━1千円
  • お客さん用椅子━━━━2千円
  • お客さん用洋服掛け━━3千円
  • お客さん用スリッパ━━1千円
  • 自分用スリッパ━━━━1千円
  • 自分用椅子━━━━━━2千円
  • テーブル━━━━━━━5千円
  • エアコン━━━━━━━6万円
  • 合計 ━━━━━━11万3千円

適当に値段を付けてみました。

これだけあれば、それぞれの備品を買うことができます。

もっとも高いものはエアコン(取り付け費用込み)の6万円です。

もしエアコンが必要ないのなら、5万3千円まで抑えることができます。

保健所や税務署への届けは無料なので、エアコンさえあれば6万円で開業は可能です。

鍼灸院の設備選びのポイント

適当に値段を付けましたが、少し具体的に説明してゆきます。

[治療道具一式]

鍼やもぐさ、シャーレなど、鍼灸専門学校で使っていたようなものです。

あれもこれも買うのではなく、本当に必要なものを選んで買います。

[折りたたみ式ベッド]

これは説明の必要もないと思います。最近は1万円もしないものもあります。

[シーツ・毛布]

こういったのはニトリでも揃います。医療系専門店にあるような、ベッドのサイズにあつらえたシーツでなく、適当なものを上手く使いましょう。

[まくら]

私はタオルを重ねて、お客さんに合わせた高さで利用しています。一応まくらも持っていますが、ここ数年は使ったことがありません。いらないかもしれませんね。

[タオル類]

タオルはエステ系の通販で安くて肌触りのよいものを選んでいます。何度も洗濯を繰り返したタオルは貧乏くさく、自費診療である程度のお金を頂く鍼灸院には向きません。肌触りが悪くなれば買い替えをオススメします。古くなったタオルは自分用として自宅で使えます。

[お客さん用のカゴ・椅子・洋服かけ]

これらはニトリやイケアで安いものが売られているので、部屋全体のバランスを考えて買いましょう。統一感が大切です。

[お客さんと自分用スリッパ]

季節が変わったら買い換えましょう。1年で4回買い換えます。傷んでいなくても、色や柄は季節に合わせることをおすすめします。鍼灸整骨院にありがちな、ビニールスリッパは貧乏くさくなるのでおすすめできません。

[自分用椅子]

これはお客さん用と同じもので良いと思います。部屋全体の統一感を出すために、テーブルや洋服かけの雰囲気に合わせましょう。

[テーブル]

ニトリやイケア、ホームセンターで安いものがあります。私のはイケアです。サイズは小さすぎてはだめです。お客さんと二人で利用することを想定し、ある程度の大きさのものを買いましょう。カフェなどにある2人用テーブルを参考に、1対1でお話をするときにちょうど良い大きさのものを選びましょう。部屋全体の雰囲気を考えて、椅子との組み合わせを意識して選びましょう。

[エアコン]

6帖用の1番安いやつで十分です。取り付け費用が心配ですが、大手家電店で購入すれば6万円で取り付けまで可能だと思います。ネット通販を利用すればエアコン本体をかなり安く購入できますが、取り付け業者を自分で手配する必要がある場合もあるので、注意が必要です。

[設備選びのポイントまとめ]

テーブルや椅子などは、最初に良い物を欲しくなるかもしれません。しかし最初から良い物は必要ありません。

開業して1年もすると、少しずつでもお客さんが増えてきます。そのお客さん達にはある程度の共通点があるはずです。お年寄りなのか、若い方なのか、独身女性が多いのか、既婚者が多いのかなどです。子ども連れのお客さんもいるかもしれません。

そういったあなたの鍼灸院に来られるお客さんの傾向が浮き彫りになってきたとき、そのお客さんに合わせてスリッパのデザインを選んだり、テーブルの色を変えてみたり、椅子の硬さやタイプを変えていくのです。

最初は何もわかりません。とりあえずオーソドックスな設備で始めてみることが第一歩です。

潰れない鍼灸院の作り方まとめ

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いかがでしょうか、とりあえず始めることができそうな気がしませんか。

最初から大きくて立派な鍼灸院は必要ありません。

産業はどんどん大規模化していきますが、その一方で小規模へと移り変わる産業もあります。

例えば農業は大量消費の時代を支えるためにも、大規模化させてコストを下げるといったことが当たり前でした。ところが近年、そういったよくわからない作物よりも、生産者の顔写真が入った有機作物を購入する人が多くなりました。

それを受けて農業の規模を小さくし、消費者との距離を縮め、農協を通さずに消費者に直接作物を販売するような農家が増えてきました。

この方法なら農協に搾取されることなく、また農協の指示にも従うこともなく、自由に作物を作ることができ、そういった作物を求める消費者のニーズにピッタリと合ったのです。

これまではこのような農業は商売として成立しませんでした。それを可能にしたのはインターネットです。インターネットを通じて、青森で作られた野菜を東京のお客さんが購入できるのです。

これまでお客さんが何処にいるか分からなかった生産者と、求めている作物が何処に売っているのかわからなかったお客さんがインターネットを介して繋がることができる時代になりました。

前置きが長くなりましたが、私がお伝えしたいのは鍼灸院だって同じだということです。これまでは近所のお年寄りや腰痛もちの方がお客さんだった時代でした。

これからは何処にいけば自分の体調不良を治せるのか分からないお客さんと、何処に自分を必要としてくれるお客さんがいるのか分からない鍼灸師をインターネットで繋げることができるのです。

インターネットさえあれば、裏通りにあるアパートの1室にお客さんに来てもらうこともできます。メールで出張の依頼を受けることもできます。

アルバイトをしながら、あるいはどこかで正社員として働きながらでも、自分の鍼灸院を経営していくことは可能です。

少しでも利益が出れば、それを自分の鍼灸院に投資してください。少しずつ部屋を改装したり、チラシを作ったり、ホームページを作りましょう。今の時代パソコンが使えないようでは鍼灸師もやっていけません。苦手な方も多いでしょうが、パソコンも鍼灸の道具だと思って勉強してください。

そうやって、少しずつ自分の鍼灸院を育ててゆく楽しみを知ってもらえたら幸いです。

 

※鍼灸院のブログを始めたいけれど、よくわからないという声を良く聞きます。簡単に始めるブログといった記事を書こうと思いますので、必要な方はもう少々お待ちください。