鍼灸専門学校に入学したらすること

鍼灸専門学校卒業後:私の場合

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鍼灸師の免許を取った私はとくに職のあてもなく、鍼灸専門学校にあった求人に申し込むか、適当に鍼灸院へ問い合わせたりするしかありませんでした。

そんなふうにふらふらしているところにいい話が迷い込んできて、上手い具合に仕事にありつけたのです。

就職はしたのですが、そこには私に鍼を教えてくれるような人がおらず、いらっしゃったのは1年先に入っていた先輩が1人だけです。

先輩も卒業して1年目なので、経験が豊富とは言えません。歳は私より一回り以上若い方です。

雇い主には提携している病院のドクターから同意書取って、ある程度の売り上げを確保してくれればそれでいいと言われました。

福祉(鍼灸)業界の闇

老人施設と提携したドクターが同意書を出してくださるので、そういった施設で鍼をしてお金をいただいていました。

個人で鍼灸院を経営し、医師の同意書を得るのは難しいですが、提携(悪く言えばグルになって)しているドクターがいれば簡単です。

私はこのような業界の体質に馴染めず、自分で鍼灸院を開業するまでの繋ぎと割り切って働きました。

開業するまでに鍼の技術を磨かなくてはいけませんが、先に述べたように就職先には院長クラスの先生がいませんでした。

鍼灸勉強会の必要性

就職先にはお手本になるような先生がいませんでしたが、問題にはなりません。鍼のことは月に一度の勉強会に参加して学んでいました。

勉強会へは鍼灸学校に入学してまもなく入会し、今でも続けています。この勉強会なくして今の私はありません。

鍼灸専門学校では鍼灸国家試験に合格するための知識は教えていただけますが、臨床に使えるような技術は教えてくれません。卒業後に鍼灸専門学校の教員になる方法なら教えていただけます。

これらは鍼灸業界でよく言われることなので、私は早々に鍼灸の勉強会へ入会することにしました。

治せるかどうかは自分次第

勉強会といっても、様々な会があります。純粋な勉強会(研究会)もあれば、ひとつの流派である場合もあります。

鍼灸業界にはたくさんの流派があり、それぞれの流派が「我々が正しい」「我々が1番」と謳っています。とは言っても、基礎は東洋医学なので何処でも同じようなものです。

大切なのは勉強会や流派を見極めることでなく、あなたがそこで学んだことを臨床で活かせるかどうかです。

臨床で結果が出ない時に、学んだ理論が間違えているのではないかと疑心暗鬼にならず、自分の技術が未熟なのだと知ってください。

鍼灸専門学校へ入学される方へ

今年鍼灸専門学校へ入学される皆さん。

是非いろんな勉強会へ参加してみてください。学生の頃は一般よりも安く参加できます。なるべくたくさんの勉強会に参加し、自分に合うと思った会に入会することをお勧めします。

卒業後の進路については、鍼灸専門学校の先生の言っていることなど大した役には立ちません。これからの時代には、これからの時代に沿った働き方があります。

今の日本では、働き方を自由に選べるようになってきました。
「芸は身を助ける」といいます。

鍼の技術も一芸に秀でれば、ちょっとした副収入くらいにはなります。型にはまらない、自由な働き方を模索してください。

鍼灸師になりたいあなたへ

新灸師になりたいあなたへ

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上の画像のように、鍼灸師 年収 といったキーワードで検索したことがはるはずです。

また、鍼灸師 就職といったキーワードでも検索したことがあるはずです。

結果はどうでしたでしょうか。

どちらも鍼灸師になりたいと言えるようなものではなかったと思います。

既存の鍼灸師が、儲からない、食べていけない、就職先がないと散々酷いことをネットに公開しています。

それでも毎年5,000人以上の鍼灸師が鍼灸専門学校へ入学し、同じ年に同じ数だけ新しい鍼灸師が誕生しています。

なぜ鍼灸師になりたい人が後を絶たないのでしょうか。

お手軽医療系免許、鍼灸という摩訶不思議なイメージ、そういったものが相まって今の人気があるのだと思います。

なぜ鍼灸師になりたいのか

鍼灸師になりたいのであれば、なればいいだけの話です。

なにを踏みとどまる必要があるのでしょうか。

就職や収入が不安で踏みとどまっているとすれば、鍼灸師なることよりも、就職すること、十分に安定した収入を得ることのほうが、あなたの中で優先順位が上である証拠です。

だったらもっと他の仕事を選ぶ方がいいかもしれません。

簡単に取れる医療系の免許だから、これを取得しておいて医療系で就職できたらラッキーくらいに考えていると、あなたがネットで検索して出てきたような厳しい現実に直面することになります。

私は食べれているか

こんなことを書いていると「お前は食べていけているのか」と叱れそうですが、食べていけていません。

偉そうなことを書いていますが、鍼灸だけでは食べていけていません。

ですからアルバイトをしています。

このブログに書いてあるように、プライベートな事情により自宅を手放し、それに伴い鍼灸院も閉めることになりました。

自宅兼鍼灸院として再スタートしますが、この先はアルバイトの給与が鍼灸院の売上を大きく上回ることは明白です。

これまでもアルバイトの収入がなければ鍼灸院経営は成り立っていませんでした。

それでも鍼灸院を続けたのは、鍼が上手くなりたいからです。

食べていくことだけが目標というのは、お金だけが目的だと言っているのと同じです。

お金だけが目的であれば、私の場合は何処かに雇われる方がよいでしょう。

私に商売の才覚はありません。

20代の頃に小さな飲食店を出したことがありますが、1年で閉めました。

今、鍼灸院を続けることができているのは、妻と共働きだからです。

子どもがいない事情もメリットとして挙げることができます。

こういった内情を説明すると、

「だからなんとかやれているんだ」

「普通はそうはいかない」

「恵まれている」

などと言われそうですが、決してそうではありません。

子どももなく、妻と共働きだからこそ、鍼灸院を開業し、技術を磨くことを人生の目標としたのです。

もし働き手が私1人で、子どもが2人もいるような家庭であれば、私は迷わず何処かで雇われて給与を得る方を選びます。

それはそれでひとつの人生だっただろうなと、今はそう思います。

人はいずれ死にます。

なにかひとつ、自分の人生で死ぬまで打ち込みたいと思ったものが、治療家として技術を磨くことだったのです。

職業としての鍼灸師ではなく、自分の理想とする治療家に近づくために日々研鑽しています。

そしていつか、治療家1本で食べることができるようになれば、それはそれで嬉しく思います。

純粋に鍼灸師になりたい

儲からなくてもいいから、鍼灸師になって、一生の生業としたいという人もいらっしゃると思います。

そういった方は早くなるほうがいいと思います。

後先考えても仕方ありません。

お金などはアルバイトでもすればなんとでもなります。

私がそうです。

アルバイトでお金を稼ぎ、好きな鍼灸を思う存分楽しむのもいいと思いませんか。

私にとって鍼灸とは、お金のかかる趣味のようなものかもしれません。

妻には趣味では困ると言われますが、その反面、幸せに暮らせているならそれでいいと言ってくれます。

私は脱サラ組みなので、鍼灸師になって年収は激減しましたが、夫婦2人とも今の生活にとても満足しています。

鍼灸師になって稼ぐといった、ガツガツした考えのない人にはいい職業だと思います。

最後に

私に恵まれている部分があるとすれば、私を理解してくれる妻と出会えたことです。

鍼灸師は食べていけるのか

鍼灸師は食べていけるのか

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鍼灸業界には次のような噂が耐えません

  • 鍼灸院は飽和状態
  • 鍼灸では食べていけない
  • 鍼灸院を開業しても3年以内に7割は廃業する。

いかがでしょう、鍼灸業界に少しでも携わる方なら一度ならず、耳にタコができるほど聞いたことのある噂ではないでしょうか。個人事業全体で見ると、この噂は特に鍼灸に限ったことではありません。

日本全体で見ると今の時代、個人事業は開業率よりも廃業率が上回っているのです。経済産業省のサイトなどを参考にしてみてください。日本全体で見れば、少しずつ個人事業主は減っているのです。特に鍼灸だけが食べていけないわけではありません。ここは大事なところです。

食べていけないのは選んだ業種が悪いのではなく、ましてや鍼の技術が無いのではありません。商売の才覚が無いだけのことです。「鍼灸院を開業しても3年以内に7割は廃業する」なんて脅し文句を恐れる必要ありません。開業したいなら開業すればよいのです。噂話なんて開業を躊躇する理由にはなりません。開業してみないとあなたが成功するかどうかは、誰にもわからないのです。

商売の才覚

商売の才覚というものは、いったいどういうものでしょうか。私が思うに、鍼灸院で食べていける人は、他の業種でも食べていけると思います。鍼灸院で食べてるAさんは、鍼灸院を辞めて定食屋を開いても食べていけると思います。

鍼灸院で食べていけなかったBさんは、なにをやっても食べていけないと思います。この場合、Bさんはどこかに雇われて給与を得る方がよいでしょう。

鍼灸院を開業しても3年以内に7割は廃業するという噂話に脅かされて、「開業してもキビシそうだな」などと、開業する前から弱腰な人は開業するべきではありません。そういった人は失敗しても業界低迷が原因だと決め付けて、自分の悪い部分は見ようともしません。こういった人に限って、冒頭の噂話を吹聴します。なぜなら、失敗した原因が自分にあると認めたくないからです。

鍼灸師は儲かるか

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鍼灸師は儲かるのかと聞かれれば、あなたにとって儲かるとは具体的に年収いくらですかと質問を返さなくてはいけません。社会人にとって、年収200万は非常に少ない額ですが、小学生が聞いたら驚くような額です。

年収200万の人が、400万になれば大喜びですが、800万の人が400万になったら人生設計を大幅に見直さなければいけないほどの非常事態です。

あなたにとって儲かるとは年収いくらでしょう。サラリーマンの平均年収くらい稼げれば満足でしょうか。だとすれば、20代で250万円から300万円程度、30代であれば400万円から500万円の間くらいだと思います。

同年代サラリーマンの平均年収以上稼いで儲かるというのであれば、それぞれの年収の150%くらいが妥当な金額ではないでしょうか。

年収500万円を目指すなら、年収500万円に到達するための具体的なプランがなくてはいけません。鍼灸で年収1千万円も可能なはずです。年収1千万円を達成する人は、そのための具体的なプランを立てることができる人です。プランを立てるのは鍼灸学校を卒業してからでもいいかもしれませんが、全くイメージが湧かないようなら何処かに勤めることをお勧めします。

鍼灸師は食べていけるのか:答え

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他の業種と同じで食べていける人と、食べていけない人がいます。それが当然です。

  • 食べていけるラーメン屋と食べていけないラーメン屋
  • 食べていけるネイリストと食べていけないネイリスト
  • 食べていけるデザイナーと食べていけないデザイナー
  • 食べていけるお笑い芸人と食べていけないお笑い芸人
  • 食べていける鍼灸師と食べていけない鍼灸師。

鍼灸1本で食べれなければだめだと思っていませんか。今の日本ではアルバイトでお金を稼ぎ、とりあえず食べることはできます。アルバイトで食べるためのお金を稼いで、好きな鍼灸をすることはできます。ご馳走を食べる、高級車を購入するとか、そういった物欲を満たす贅沢はできないかもしれませんが、好きなことを仕事にすることはとても贅沢なことです。

このように鍼灸師が好きなことをしながら食べていく方法はあります。1回しかない人生で何を大切にするのか、じっくりと考えてみてください。

鍼灸を信じない人

鍼灸を否定する人

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世の中には鍼灸という技術を信じている人が少し、信じない人が多くいらっしゃいます。
これは、UFOを信じる人と、それを信じない人と似ています。
また、幽霊を信じる人と、それを信じない人とも似ています。
鍼灸を信じる人は、UFOや幽霊を信じる人よりも少ないのではないでしょうか。

鍼灸を信じない人達は、科学的な根拠を出せと言いますが、鍼灸を信じている人(鍼灸師含む)は東洋医学は不思議な世界であり、神秘のベールに包まれていて科学では立証できないと返します。

中には科学的に立証しようと躍起になっている鍼灸師もいるようですが、そんなことはする必要ありません。

科学者でもない鍼灸師が何を証明できるというのでしょうか。

鍼灸は医学ではありません

鍼灸は医学ではありません。

鍼灸師は医師の免許を取得せずとも、鍼灸師の免許だけ取得すれば鍼灸師を名乗れます。

ここを勘違いしている鍼灸師が多いのではないでしょうか。
医学と鍼灸は全くの別物なのですから、医学と比較されることもない筈です。

医学と肩を並べたいなら、鍼灸師の免許を取得するためには医師の資格が必要というふうに制度を改めるべきです。

医学でいうところのエビデンスっぽいものを集めて、「ほら、鍼灸は効果あるでしょっ」と必死でアピールしているのを見ていると、情けないやら恥ずかしいやらです。

健康保険が使えることも理解できません。

日本では医療費が膨らみ、健康保険制度は破綻するといわれているのに、鍼灸に保険を適用するなど馬鹿馬鹿しいかぎりです。

一刻も早く、鍼灸が保険適用から外されることを願ます。

自信を持てない鍼灸師

世の中の鍼灸師はよほど自信がないのか、自分のやっていることを誰かに認めて欲しくて仕方ないようです。

「先生凄いっ!」とでも言って欲しいのでしょうか。

そういった欲にまみれた鍼灸師が必死になって鍼灸を語れば語るほど、詐欺的な発言が増える傾向にあり、技術の上達がなによりも大切だと考えている私のような鍼灸師にはいい迷惑です。
自分のお客さんが信じていてくれれば、それで十分ではないでしょうか。

鍼灸を医療だと言うなら、せめて医師の免許を取得するべき

鍼灸を信じていない人達に意見を言いたいなら、最低限の医師の免許を取ってからにするべきです。

必要な医療の知識もないのに、あれこれ言っても子どもだって聞く耳を持ちません。

こんなことを書くと「お前は鍼灸師だろ、どっちの味方だ」と言われそうですが、どっちの味方でもありません。
私にとって大切なのは、私を信じて通ってくださるお客さんだけです。

そもそも私は鍼灸を医療だなんて思っていません。専門学校で学ぶ知識など、勉強量でいえば普通レベルの高校受験以下です。その程度の知識で医療を学べるとは、到底思えません。

医学と鍼灸の関係を図にすると図Aのようになります。

図:A

この状態がよいのです。こうでないと鍼灸の存在にも意味がありません。

それを、医学に近づこうとするからおかしなことになるのです。科学的な根拠なんて必要ないし、医学界に認めてもらう必要もありません。

鍼灸は鍼灸です。

医学では対応できない症状を診させていただくのが、鍼灸師の仕事ではないでしょうか。

こんなふうに考えることができる鍼灸師が増えることを望みます。