鍼灸施術料金を考える

鍼灸もサービス業です

インターネットには、毎回5,000円、6,000円といった料金を支払ってまで鍼灸に通う人なんて居ないなどと書かれている記事を見かけます。
それらは全くのデタラメです。
その証拠に、私の所へはそういったお客さんが通われています。

私のお客さんの中には、もっと高額な鍼灸院に通っていた方もいらっしゃいます。
知っている限り、最も料金の高いところは1回2万円以上です。
そこに通っていらした方が、私のところへ通うようになりました。
このお客さんの場合、これまで2万円だったのが6,000円になるわけですから安いものです。
当然のように何度も通ってくださいます。
このように、施術料金の高い安いに関係はなく、値打ちがあると判断されれば、それを支払ってくださる方は必ずいらっしゃいます。
良いサービスには、それなりの料金を支払うのが当たり前だと理解していらっしゃるのです。

技術の安売りはしない

良いサービスは料金も良い値段になる。
これは、どんなサービス業でも同じです。
身近なところで、飲食店がわかりやすい例です。
3,000円のランチもあれば、1,000円のランチもあります。
牛丼チェーン店のようなお店を利用すれば500円もしません。

何が違うのかといえば、サービスが違います。
提供される料理の内容はもちろん、その質も違いますし、接客も違います。
料理で例えればプロの料理人が調理する3,000円のランチと、アルバイトが温めるだけのファミリーレストランのランチは比較にならないほど差があります。
ときどき高級なホテルに食事に行くなどして、良いサービスを肌で感じると良いかもしれません。

実感として、自分がためらわず支払える金額以上の金額を、お客さんから平然と受け取るのは抵抗があると思います。

もし、5,000円の鍼灸施術料金を受け取るのであれば、同じように5,000円支払うようなサービスを定期的に利用すると良いのではないでしょうか。

サービスは有料です

日本人にはサービスは無料だと思っている人が少なからずいらっしゃいます。
また、お客は偉い立場にいると思っている人も多いです。
とんでもない誤解です。
サービスは有料ですし、お客は特に偉いわけではありません。

支払った金額以上のサービスを求める人は、支払った金額以上のサービスを受けないと損をしたと感じるようです。

食べ放題で元をとるといった考えに近いと思います。
このようなタイプの人に来ていただきたくないのが、私の正直な気持ちです。
3,000円程度の品物で、延々とクレームをつけるような人もご遠慮願いたいです。
3,000円を取り戻すために何度も電話したり、1時間も苦言を続ける人がいるそうですが、いったいその人の収入は幾らなのかと不思議に思います。

そんなことをする暇があれば、仕事したほうがよほど有益なことがわからないのでしょうか。

そういった人を遠ざけるために、今後更なる値上げをしても値下げをする可能性はありません。
想像してみてください、1回の施術で2万円いただけるなら、ある程度はお客さんの要望にもお応えしようと思います。
これが3,000円だとどうでしょう、黙って横になって言うこと聞いてもらって鍼して、さっさと帰っていただきたいと思いませんか。
酷いことを言っているように思われるかもしれませんが、これがサービス業です。

鍼灸施術料金まとめ

Photo by Kristian Gonzalez on Unsplash

長々と書きましたが、施術料金はご自分の提供するサービス内容に見合った額を提示すれば良いのです。

1万円のサービスを提供しているのに、5,000円の施術料では自分でサービスの価値を下げているようなものですし、3,000円程度のサービスなのに施術料を1万円にしてはお客さんの満足度を下げるだけです。

どうしても自分の提供できるサービスの価値がわからないようなら、普段利用している理容室や美容院の1.5倍くらいから始めてみてはいかがでしょうか。

美容院はカットのみの価格です。
たとえば、カットのみ4,000円の美容院なら、6,000円ですね。
3,000円の理容室であれば、4,500円です。

適当に思われるかもしれませんが、そもそも値段のつけ方がわからないのであれば、適当もなにもありません。

妙に謙遜して安い値段にするよりも、少し高いと思うくらいが良いと思います。

ある程度の値段の方が、利用するほうも「6,000円するなら技術も確かだろう」と勝手に思ってくれます。

鍼灸の料金や技術力は、あなたよりもお客さんの方がわからないのですから。

鍼灸施術料金について

鍼灸施術料金について

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私の施術料金は60分 6,000円です。
きっちり60分間施術するわけではないので、実質1回6,000円といった感じです。
60分と提示しているのは、90分施術した時には9,000円いただきますと、施術料金を提示しやすいように時間で区切って見せるためです。

お話しながらお茶など飲むと、大抵90分くらいかかりますが、料金は60分料金の6,000円です。
時々カウンセリングが長くなり、来院から退院まで120分などとなれば90分か120分で料金をいただくこともあります。

90分:9,000円
120分:12,000円

こういった場合、あらかじめお客さんが120分を希望するケースと、話が長くなりそうなら120分にしますかと、こちらから促すケースがあります。
この辺りは雰囲気です。

基本料金

基本となる60分の料金ですが、初めて開業したときは4,500円でした。
その後、5,400円に値上げして、更に6,000円に値上げしました。
このように2度も値上げしなければならなかったのは、値付けが失敗だったためです。

では、どのようにしてこの値段を決めたのか、お恥ずかしい限りですがここに紹介します。

まず最初に1ヶ月に売り上げたい金額を決めます。
例えば、50万円というふうに、目標額を設定します。
それを営業日数で割ります。

A.50万円 ÷ 25日 = 2万円

次に、Aの2万円を1日の目標来客数で割ります。

B.2万円 ÷ 8人 = 2,500円

本来であれば、このBで算出された2,500円を施術料金とすれば良いのですが、目標とした来客数を100%達成できるとは思いません。
そこで、目標来客数の6割程で計算し直しました。

C.2万円 ÷ 5人 = 4,000円

この4,000円に、気持ち上乗せした4,500円を施術料金としたのが最初です。

しかしながら、私のブログを読んだことがある方ならご存知のように、全く集客が上手くゆかず、思うように売り上げが伸びませんでした。

そこで、お客さんの数をそのままで売り上げを伸ばす方法として、一番簡単な値上げに踏み切ったのです。

値上げするとお客さんが来ない

Photo by Jungwoo Hong on Unsplash

「値上げするとお客さんが減るのでは?」

そう思われるかもしれません。
しかし、そういった理由でお客さんが減ったとしても、値上げ後の料金を支払っていただけるお客さんも新たに来られるので問題ありません。
経営する側にとっては、より高い料金を支払ってくれるお客さんに来ていただきたいのが本音です。

結果、客数はあまり変わらずに少し売り上げは伸びました。
その後、2度目の値上げで6,000円としましたが、やはり新しいお客さんは来てくださいます。

同じ来客数でも売り上げは大違いです。
例えば、1日3人来られたとして、4,500円であれば13,500円ですが、6,000円なら18,000円です。

私の鍼灸院は完全予約制です。
予約をコントロールすることで鍼灸院の稼働日を絞り込み、他の日にはアルバイトをするなどして1ヶ月の収入を確保していました。

鍼灸施術料金を値上げしたことで、時間単価も上昇し、平均して時間当たり3,000円以上をキープできるようになりました。

1日5時間も働けば15,000円になる計算です。

アルバイトしながら、ある程度の月収を確保しつつ、十分な余暇を楽しむ生活ができるようになりました。

当然もっと予約を増やして収入を増やすことも大切ですが、それよりも夫婦でゆったりと生活することのほうが私達にとっては豊かな生活だったので、売上は少しずつ上げていけばいいと考えていました。

二足のわらじ

鍼灸施術料金を値上げし、アルバイトと組み合わせることで、そこそこの収入を確保できるようになりました。
(同年代サラリーマンの平均月収には遠く及びませんが)

そして、これから徐々に売上を伸ばそうとしていた矢先に、今回の引越しに伴う移転騒動が勃発しました。

私達が望んだのでなく、外力による引越しと移転騒動です。
その結果、自宅を失い、鍼灸院は閉鎖することになりました。

そして今(2017年11月)、自宅兼鍼灸院として再開する目処が立ってきました。
このブログでは、こういった状況で鍼灸院を再開した場合にどの程度売上があって、どのように売上が推移するのかを公開していきます。